やや大きめの銘々皿として、飾り気のない自然な風合いを目指します。
大きさと断面構造は左図のようになります。
焼成後には収縮して、
外径は約19cm 位になります
少しだけ大きい、ゆったり感のある ”小皿” 。
切り身の焼き魚を入れても、一品添え物も付け合わせられます。
全体として白っぽい色釉薬をかけますが、赤土の地合いが下地のため、釉薬の濃淡が出て、真っ白ではない自然な土の風合いを期待します。
作陶手順
粘土選び
前回のお茶碗と同じ混合粘土を使います。
混練り比 赤2号:楽赤土 比1:1
一個の重さ 500g/個
5個として
合計粘土量=500g×5
=約2.5㎏
粘土の用意
茶碗の時と同じ様に 、色ムラの無いようにしっかりと練り合わせます。
五個に切り分け、一個づつに円柱団子に成形します。
成形
手ロクロを使う
手ロクロで一つの塊りの粘土から、皿の平らな部分を広く伸ばし成形する事は、意外と難しいのです。
ここでは、一工夫して平らな部分と縁どり部を別々に成形してみます。
粘土のカット
一個500gの粘土を
底部用に 350g
縁どり部用に 150g
にカットします。
底部の成形(以下は右の動画を参照できます)
お皿の高台部(底部)の直径は、皿外径の
75%くらいが適切です。
皿外形:21㎝×0.75=15.8
そこで、外形はちょっと小さめに15㎝、
厚さは後からの削りシロも含めて1cm強
として、この寸法に手の上で成形します。
ピザ生地を作る要領でピタピタやると、意外にうまくいきます。
ロクロにのせて
円盤ができたら手ロクロの上、中心に置きます。
軽く手のひらでタタキ、面をきれいにします。
反対にひっくり返して、外形が中心に合うように丁寧に両手で均等に寄せ合わせます。
厚みムラが目立つところは、手の平で押しながら均等にします。
物差しで外形と厚みも確認します。
縁取り部の取り付け
150gの方の粘土を、手の平で丸めながら細く伸ばします。
長さは 直径×π で (15-1)×3.14=44 cm
になったら、輪にして端を突き合わせて繋ぎます。
これを底板の外形に合わせて乗せ、合わせ目に空気が入らないよう丁寧に繋ぎます。
これで原型が完了です。
底部の整形
手ロクロを回転させながら、底部の厚さにわずかな勾配を作ります。
中心部を1mmくらいへこませながら、周辺部が高くなるようにヘラなどで丁寧に土を成形します。
さらのそ皿の底は真っ平ではなく、いくらかでも中心に向かって下がっていく様にするのがポイントです。
これが反対に、中心部が高くなると、なぜだか落ち着かなくなります。
外縁部(口元)の成形
周辺部は、まず両手指先でつまみながらロクロを回し、上端部を外に広げながら、肉厚をほぼ均等に整えます。
ここで一度へらを使って高台部の大きさと形状を整えます。
次に、表面をなめし皮を使って水で濡らし、片方の手でロクロを回しながら一方の指先で粘土をつまみ、引き上げていきます。
この時に、内側底部の隅の部分をへこませない様に注意します。
肉厚が4mmくらいの感じになって来たら、上端凸凹部を弓できれいに切り揃えます。
肉厚の仕上げ
ロクロを回しながら、上端部(口元)の外径が予定の21cmに近くまで指で広げます。
上端部を1.8cm幅になるよう、指腹でつまみながら肉厚3mmを目指し押しつぶします。
次にその下の部分も肉厚3mm目指して指で押し引き上げて行きます。
これで凡その寸法・形に近づいてきました。
仕上げ姿の修整
底部の内側の隅部をへらで形を整えます。
全高さは2.5cm目標ですから、物差しで確認しながら調整します。
胴部の肉厚さ、上端部の平らな部分の傾き加減も丁寧に修正します。
目線をロクロ高さまで下げて、外形状体を確認し、必要であれば修正を繰り返します。
完了したら、シッピキ(細い針金)で高台下を切り離します。
高台削り
お皿の高台は面積が大きいので、手間(時間)が掛ります。
底部の仕上がり予定厚さは5から6mmです。
皿の内側が、中心部から外に向かって少し勾配を付けてありますので、裏側から削るときもそれに沿った厚みを残すようにします。
今回は少し乾燥が過ぎたので、削りにも力が必要でした。適切な削りタイミングが必要です。
又、薄い平面が広いため中心部で下に力を入れ過ぎると割れる恐れがありますので、力加減に注意が必要です。
右の動画をじっくりと参照してみてください。