やや深い中皿

 

今回は中皿ですが、作り方は以前に掲載した「少しだけ大きい・小皿」と基本は同じです。

 

 いわゆる「市販の西洋皿」(出来上がり外径24cm)よりやや小ぶりです。

 

今回の中皿の大きさは、手ロクロで作成できる大きさの上限かとも思います。

焼成後の出来上がり外径は15%くらい縮みますので 

     25/1.15=21.7cm を予想しています。 

   (参考)市販の西洋皿24cmを作るには、

       24×1.15=28cmで作成が必要です

 

寸法と大きさ感覚

 

皿の様な円形の器で”大きさ”を寸法で表すのは慣れないとかなり難しいものです。

今回の皿の外径25㎝と前回21㎝の違いを大きさイメージで捉えてみます。

 

直径寸法の違いは、”大きさ”では面積の比較になりますので、直径比の二乗に比例します。

と言ってもわかりにくい・・・・

大雑把には、

 直径1割増→ 大きさ2割増

 直径2割増→ 大きさ4割増

こんな感じです

 

今回の直径25㎝中皿は前回の21cm小皿に比べ大きさは4割アップ、すなわち1.4倍になります。

直径の差が僅か4㎝ですが大きさはかなり大きくなる訳です。

 

因みに、使用する粘土は

 前回小皿:500g

 今回中皿:900g で1.8倍です

 

寸法と大きさの比較

 

粘土は焼成すると縮みます

粘土にもよりますが、概ね15%は縮みます。

成形後、自然乾燥・素焼き・本焼きそれぞれの工程で少しずつ縮みますが、自然乾燥で大半の縮みが出ます。

寸法で15%では左記の説明から大きさでは30%小さくなります。

 

このことから成形時の大きさは出来上がり時の大きさより3割がた大きく作る必要があります。 


作陶の手順

粘土の用意

 

900g用意します

茶碗の時と同じ様に 、色ムラの無いようにしっかりと練り合わせます。 


成形

手ロクロを使う

出来上がり外径は、写真の手ロクロをはみ出すくらいの大きさです。

 

粘土のカット

一個900gの粘土を

    底部用に 700g

  縁どり部用に 200g

にカットします。

底板部の成形

お皿の高台部(底部)の直径は、皿外径の

75%くらいが適切です。

   皿外形:25㎝×0.75=19cm

そこで、外形はちょっと小さめに18cm

厚さは後からの削りシロも含めて1cm

として、この寸法に手の上で成形します。 

 

ピザ生地を作る要領でピタピタやると、意外にうまくいきます。

 

ロクロにのせて

 円盤ができたら手ロクロの上、中心に置き、

軽く手のひらでタタキ、面をきれいにします。

外形が中心に合うように丁寧に両手で均等に寄せ合わせます。

手の平で押した分だけ手ロクロ廻しながら、中心部1cm、周辺部に向かって緩やかな勾配がつくよう整えます。

外周部幅1.5cmほどは厚みを後の周辺部との仕上げを考慮して、1.5cm位に高くしておきます。

物差しで外形と厚みも確認します。

底板部の整形

手ロクロを回転させながら、中心部を1mmくらいへこませながら、周辺部が高くなるように緩やかな勾配がつくよう、ヘラなどで丁寧に表面をキレイに成形します。

皿の面は真っ平ではなく、いくらかでも中心に向かって下がっていく様にするのがポイントです。

これが反対に、中心部が高くなると、なぜだか落ち着かなくなります。

外周部の取り付け

200gの方の粘土を、手の平で丸めながら紐状にく伸ばします。

長さは直径×πで 18×3.14=56 cm

になったら、両端を突き合わせて、輪を作ります。

これを底板の外形に合わせて乗せ、合わせ目に空気が入らないよう丁寧に上から叩き、内外ともヘラで継ぎ目を潰していきます

これで原型が完了です。

 

外縁部(口元)の粗成形

 外周部は、まず両手指先でつまみながらロクロを回し、上端部を外に広げながら、肉厚をほぼ均等に整えます。

ここで一度、ヘラを使って高台部の大きさと形状を整えます。

次に、表面をなめし皮を使って水で濡らし、片方の手でロクロを回しながら一方の指先で粘土をつまみ、引き上げていきます。

 

 

肉厚の仕上げ

ロクロを回しながら、まず上端部の肉厚を薄くします。次に指幅分下の部分を薄くします。

根元まで薄くなれば、両手の指を使ってブレを取り、上端部の凸凹を弓で切りそろえます。

 

仕上げ姿の修整

底部の内側の隅部をヘラでしっかりと下と外に押さえ形を整えます。

全高さは3.5cm目標ですから、物差しで確認しながら調整します。

予定の25cmに近くまで指で広げます。

上端部を1.8cm幅くらいになるよう、指腹でつまみながら肉厚4mmを目指し押しつぶします。

上端部の平らな部分の傾き加減も丁寧に整形します。 

外径25㎝、高さ3.5cmを確認します。

目線をロクロ高さまで下げて、外形状を確認し、必要であれば修正を繰り返します。

 

完了したら、シッピキ(細い針金)で高台下を切り離します。

 

高台(底部)削り

 高台削り

お皿の高台は面積が大きいので、手間(時間)が掛ります。

削りやすい乾き具合が重要になります。

底部の仕上がり予定厚さは6から7mmです。

皿の内側が、中心部から外に向かって少し勾配を付けてありますので、裏側から削るときもそれに沿った厚みを残すようにします。

 薄い平面が広いため中心部で下に力を入れ過ぎると割れる恐れがありますので、力加減に注意が必要です。


残り作業工程は素焼き、釉薬かけ、本焼きですが、窯焚きまで時間が空きますので、その時期になれば続きをアップします。